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扉を開けたメール

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 着物美人は当惑を整ったその顔に見せた。
「申し訳ございません。十時閉店と決めてありますの」
「ちょっときてください」
 そう云ったのは間島である。
「どこへですか?」
「ほんの数歩、動いてください」
 店の中には最後のグループと若い女性店員がいた。
「実は宗山ともみさんから私たちはメールや電話でいろいろ聞いたんです。それでどうしたら無事にここの二階から彼女を救出できるかを話し合いました」
 宗山敬子の顔色が変わった。
「十一時にお店の片づけが終わったら、お話を伺いましょう。一時間後にまたきてください」
「わかりました。一時間後にまたきます」
 間島と花山は黙ったまま五分余り歩き、深夜営業のラーメン屋に入った。

閉じ込めた愛 後半


41ぺ。1128、1位/5位

作品名:扉を開けたメール 作家名:マナーモード