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扉を開けたメール

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「今日は公休日だったよね。六時に昨日のお好み焼き屋の近くの『カフェ・ラファエル』で待ち合わせ。どうでしょうか」
 三分後に返事が届いた。
「了解。大至急現場に急行します」
 その喫茶店は学生風が多いのだが、落ち着いた雰囲気の店だった。但し「ウザイ」などと、得体の知れない新日本語が聞こえると、花山は気分を害される。
 活字離れは想像力を育成しない。地球の自然環境の危機よりも、文化、芸術の危機のほうが差し迫っていると思う。
「ご機嫌如何?小生は今日と明日がダブ公なので、すこぶるご機嫌ですぞ」
 間島はことばの通り恵比寿顔で現れた。
「早速業務連絡だよ」
「さては耳寄りな情報をゲットしたな?」
「ともちゃんからのメールの裏が取れたよ」
「まさかともちゃんのおふくろさんから、ってえことはないでしょうな」
「隣の美容室」
 間島はキャハハと云って笑った。
作品名:扉を開けたメール 作家名:マナーモード