扉を開けたメール
「ああ、ムネヤマさんね。ムネヤマケイコさん。あのひとは特別な仕入れのとき以外は殆ど外出しないの。真面目なひとよ」
「どんな字ですか?」
「宗教登山の上と下二文字が姓で尊敬の下と子供の子」
「素晴らしい説明ですね。感動しました。……じゃあ、宗山敬子さんは買い物もコンビニで済ます感じ?」
「そうそう、消防署の向こうのコンビニから、お弁当をよく買ってくるのよ。わたしもよく行くけど、あのコンビニも随分昔から頑張ってるわね。二十年以上よ」
花山は確信した。今日もともみの食事がそれだったことは間違いないと思った。
「潰れるところが多いのにね。そうなんですか」
「若いひとがアパートを決めるとき、第一条件が近くにコンビニがあるかどうかだって」
「そうですね。ぼくもやっぱりそうです」
*
美容院から出てアイドルグループのメンバーのようなヘアスタイルになった花山は、間島にメールを送った。