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扉を開けたメール

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「あの店の二階か。何とか救出できないかな……ところで、間島さんは美香ちゃんの電話から掛かってきたのに、なぜ判らなかったの?」
「声が違うということが大きな原因だったし、まさか『あやさん』が美香ちゃんのハンドルネームだとは気付かなかったよ。しかし、美香ちゃんが『綾小路みかまろ』だなんて、誰も思わないよな」
「ともみさんの声はどうだった?」
「正直に云うと、美香ちゃんより可愛い声だったよ」
「そうか……さて、明日はスーツを着て出勤だ。前にぼくが居た会社を、営業部長と一緒に訪問することになったんだ」
「花山さんはでっかい電気会社に居たんだよな。……ということは、トランスを売り込もうということか」
「そうだろうね。金曜日に電話させられたよ。リストラで大分減ったけど、まだ何人か昔の仲間が居ることが判って、そのうちの一人が購買のほうの課長になってた」
「そういうことだったか……云ってみれば策略採用だったかもな。それはともかく近いうちにまたあの店へ行って、ともみさんを解放するように、あのおふくろさんを説得してみよう。みかまろちゃんと、三人で行ってみるか」
作品名:扉を開けたメール 作家名:マナーモード