扉を開けたメール
間島が差しだされたものを受け取り、ふたりで頭を下げた。
「おふたりは美香さんというかたのお友だちですね」
「そうです。ありがとうございました。明日にでも持ち主に渡します」
「喜ぶでしょうね。ないと不便ですからね」
「そうですね。近いうちに改めて本人と一緒に、こちらへ伺います」
もう一度間島と花山は頭を下げた。
花山がひとこと云った。
「おひとりでこのお店を切り盛りするのは大変ですね」
「平日は女の子がきてくれてますから、大丈夫ですよ。そうそう。日曜日、手伝って頂けるかた、いませんか?」
「私たちは仕事がありますから無理ですね。殊に私の場合はタクシーですからね、日曜日は仕事の場合が多いんです」
*
花山の部屋に戻ってきたふたりは、また酒を飲んだ。
「ともみさんは動物的勘があるのかな。電話を止められたら即、元の場所に戻したんだ」