扉を開けたメール
不意にドアがノックされた。花山のところを訪れたのは間島だった。彼は部屋に入ると持参してきた日本酒の一升瓶を床に置いてから、畳に腰をおろした。かなり明るい笑顔を見せながら大きな声で云った。
「驚き桃の木、山椒の木。美香ちゃんのハンドルネームが何と何と、『あやさん』だったんだ!」
美香というのは、真島のガールフレンドの名前である。
「美香ちゃんの?それは一体、どういうこと?」
「あっ!その、どいうこと?って、JKの携帯メールでの使用頻度ベストテンに入ってるらしいよ」
「何となくその話もわかるけど、脱線転覆はよそうよ」