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一期一会

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表情は相変わらず曇ったままである。それが、更に深刻さを増したようでもある。どうやら何か云いにくいことがあるらしい。女性は何かを早川に依頼しようとしている。
「はい?」
「明日、亡くなった友人の家で、御焼香だけでもしてくるつもりです」
意を決して、という云い方だった。
「四十九日なら、不自然ではないでしょう」
「今日の午後、電話で向こうに連絡しました」
その刹那、女性の眼が輝いたような気がする。
「明日は土曜日でしたね。タクシーは不規則勤務なので、曜日を間違えることが多いんです」
「そうですか。明日と明後日、お仕事ですか?」
そのすがりつくような眼が、早川は美しいと思った。ウエイトレスと話をしたいと思っていた気持ちは、殆ど消滅していた。
「そうです。大の月だからなんです」
「……土、日がお休みなんですね?」
「はい。明日と明後日だけです。三十一日まであると、少し公休が多いんです」
作品名:一期一会 作家名:マナーモード