一期一会
「じゃあ、明日は無理ですね……墓地を探してるんですね?」
「造成中らしいんです」
「墓地をですか?」
「神社の隣って、云ってました」
早川はおかしいと思った。友人の墓地のことで、早川は悩んだことがない。
「誰がですか?」
「ご遺族のかたです」
「神社の隣の墓地ですか」
女性は上下とも黒い服を着ていた。それは夏物らしく生地が薄手のものだ。胸の谷間が見事だと、早川は余計なことに感心しながら、だから喪服ではないだろうと思った。スカートは、膝丈だった筈だ。
「そうらしいんです。はっきり判らないけど、山奥みたいですね、そこは」
「相当の田舎なんですね。失礼、御愁傷さま。というべきでしたね」
「あ、どうも……でも……」