一期一会
「もっと遅くなりそうな気がしてました」
「談合坂サービスエリアで仮眠ですね。それでいいですか?」
「そうですね。お店は営業してるのかしら」
「レストランは閉まっているでしょうね。ファーストフード的なものはあると思いますよ。
もう、おなかすきました?」
「さえらに何か食べさせたいんです」
「何が好きなんですか?さえらさんは」
「ハンバーガーとか、カレーライスとかですね」
「多分大丈夫でしょう。そういうものはあるでしょうね。さえらちゃん。夕食は何だったの?」
「ハンバーグ」
早川が振り向くと笑顔で応えた。
「さえら、よかったね。ハンバーグだったんだ。わたしも食べたかったな」
「だめだよ……」
そのあと続けて何か云った。
「昼間に作業をしていないからだめだって」