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気紛れな相談屋のようです 第一話「憎悪的ラブレス」

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 喫茶店を出て、駅方面へ向かう。そして駅を背に十分ほど歩き、路地に入る。うす暗く狭い道を抜け、数分歩くと、建設されてから大分経ったであろうアパートが見えてきた。二階建てで、階段は錆ついていて外壁も汚れている。
「二階だ…」
 階段を上り、一番奥の部屋の前まで行く。玄関のドアには、「小林」と記された手書きのネームプレートが貼りつけてある。郵便受けにはチラシや新聞がギュウギュウに詰め込まれている。
 小林が玄関の前で立ち止まる。壁で見えることのない部屋の内部を凝視し、額には汗が浮き出ている。
「入らないんですか?」
 星田が小林の顔を覗き込みながら言う。突然視界に入ってきた星田に小林はまたしても軽く奇声を発して驚き、後ずさりした。
「…」
 そんな小林を見て星田はややうんざりしたような表情を浮かべる。星田の無言のプレッシャーに後押しされるように、小林は慌てたようにカギを取り出し、ドアノブのカギ穴に差し込む。一瞬間を置き、意を決したように一気に開錠しドアを開ける。