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気紛れな相談屋のようです 第一話「憎悪的ラブレス」

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 ポケットから煙草を取り出し、ライターで点火しようとする。が、手が震えていたためライターを落としてしまった。拾おうとしてしゃがみ込み手を伸ばすと、視界に誰かの足が映った。カーゴパンツにスニーカーを履いている。

「やあ、どうも」
 不意に声をかけられ、男は奇声を発して尻餅をついた。
「先ほどは電話どうも。何かお困りのようで」
 見ると、男の眼前には、ティーシャツにパーカーをはおり、カーゴパンツを履いた青年が立っていた。いや、青年という呼称がはたして正しいのかは定かではない。というのも、やや長めの髪を真っすぐに下ろしたこの男は、外見だけなら高校生くらいにも見える。しかし、その身から発する雰囲気はなんとも形容し難い、不気味な落ち着きを放っていたからだ。声をかけた男の方は相手を気にすることなく一人で話し続ける。
「一体どのようなご用件ですかね、ああ、立ち話もなんですからコーヒーでも。そのために喫茶店で待ち合わせしたんですからね」
 そういうと男は一人で喫茶店の中に入って行った。取り残された尻餅奇声男もあわてて喫茶店内に向かう。
 店内に入るとすぐに女給が来て案内してくれる。窓際の席に腰を下ろした二人。

「アイスコーヒー2つ」
 席に着くなりメニューをパラパラと捲っていた青年は勝手に注文をする。