気紛れな相談屋のようです 第一話「憎悪的ラブレス」
「なんでもする、と」
「あ、ああ。だから…!」
「確かに言ったね?ふふふ、なんでもするんだね?あはは!じゃあ言うこと聞いてもらおうかな!」
明らかにおかしい星田の態度にガクガクと震えだす小林。
「な、なにを」
星田がぱちん、と指を鳴らした。するとまたしても部屋中の物が飛び交い、電灯は激しく点滅し、ラジカセはけたたましく鳴り、パソコンは謎の文字列を延々と写し出した。
「うわあああ!」
小林は涙を流しながら悲鳴をあげている。
「あ、小林さん、嘘についての対価は今から払って頂きますが、怪異についての対価は結構です、なぜなら」
「?」
「悪霊、まだ退治してませんから!あははは!」
星田が笑うと同時に愛が姿を現した。
「ぎゃあああああ!!」
絶叫する小林。
「嘘についての対価、まだ何をもらうか言ってませんでしたね。僕があなたに要求するもの、それは…『大人しく彼女に殺される』ことですよ!」
「うわあああ!やめてくれええ!」
「自業自得ですよ、殺されるに値することをしたんですから!ましてや『なんでもするから許してくれ』なんて魔法の言葉吐いちゃって!等価交換を無視してオーケーと言ってるようなものですよ!ええ、嘘吐いたのは許してあげますとも!あーはははは!」
部屋の惨状は更に酷くなっていく。
「あわわわわ」
失禁までしている小林に、愛は話し掛ける。
「色々あなたのわがままを聞いてきたから、最期くらいは私のお願い聞いて」
「あ…う…」
もはや放心してしまっているようだ。
「死んで」
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作品名:気紛れな相談屋のようです 第一話「憎悪的ラブレス」 作家名:ティオ