気紛れな相談屋のようです 第一話「憎悪的ラブレス」
「!」
「うわあああ!」
星田が急に起き上がった事でまたしても小林は奇声を発して尻餅をついた。
「ふう」
立ち上がり伸びをする星田。
「あ、あんた…一体何があったんだ?急に倒れて」
「ああ、すいません。持病の貧血がね、や、全く困ったもんだ!」
ははは、と笑う星田。小林はそんな星田を気味悪そうに見ている。
「実は貧血している最中に悪霊をやっつけましてね、もう安心ですよ!」
「な、なんだって?」
「いや、だから悪霊はもう除霊しました。貧血起こしたのはそのせいなんですよ。見てください、怪異も治まっているでしょ?」
「あ、ああ…」
「さ、これにて一件落着!」
「そ、そうなのか…」
「ええ!金輪際永久に、あなたが悪霊の怪異にうなされることはありません!」
怪しいセールスマンのような星田の口振りに不信感を露にする小林。
「ま、ないと思いますが、今後また何かあれば連絡を下さい」
「ああ…」
作品名:気紛れな相談屋のようです 第一話「憎悪的ラブレス」 作家名:ティオ