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気紛れな相談屋のようです 第一話「憎悪的ラブレス」

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小林が言った途端、玄関のドアが音を立てて閉まり、勝手に施錠された。
「おや」
「ひい!」
 ごごご、という地鳴りがしたと思うと、部屋にあるものがガタガタと震えだした。
「おお、すごいすごい」
 星田が感心したように呟く。
 電灯は激しく点滅し、食器棚から食器が飛び交い、本棚から本が飛び交い、部屋は阿鼻叫喚の事態に陥った。さらに、テレビは砂嵐を映し続け、オーディオ機器からはノイズ音混じりの謎の声、壁には真っ赤な文字で「死ね」と書かれる始末。
「うわー!やめろ、やめてくれええ!」
 小林はうずくまって泣き喚いている。部屋中を飛び交う物は二人に襲いかかり、小林はすでに負傷したらしく血を流していた。
「今時死ねは流行らないと思うけどなあ」
 
 星田はというと、飛び交う物を軽く手で払いのけながら何かをブツブツと唱えていた。
「対価は…そうだなぁ、寿命。僕の寿命を話した時間分放棄してやろう。だから少しの間僕と話しをしないか?」
 すると、突然、部屋の騒ぎは治まり、同時に星田が倒れた。
「…?おい…、おい、あんた。どうした…?嘘だろ!ちょっと待ってくれよ!おい!起きろよ!おい!おい!!」
 騒ぎが収まってからもしばらくうずくまっていた小林は恐る恐る顔を上げた。すると眼前には倒れている星田。頼みの綱である星田を起こそうと、小林は星田の身体を揺さぶり続けた。