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鬼城 地球
鬼城 地球
novelistID. 15205
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アメンボ!! ~South vs. East~

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 鍵が見つかった数日後……

 アメンボ達は、いつも通りにオフシーズンの陸トレに励んでいた。

「あと三周―!」
「ふぁーい……」
「元気がないぞ! 一年生!」
「だって……もう五周も走ったじゃないですかぁ……」
「馬鹿者! この冬のトレーニングが来シーズンに繋がるのだ!」
「うん……それは、本当に……そう」
「アメンボ先輩、トシ先輩もヘトヘトですよぉ……」
「……仕方がない、お前たちはあと一周でやめていいぞ」
「「やったぁ!」」
「だが、私は走るからな」
「ええ!? 先輩、どれだけ体力あるんですか!」
「さぁな、バタフライの選手は体力と足が大事だからな」
「……俺、最後まで走る」
「それじゃ、俺達はやめれないじゃないですか」
「いや、本当に無理だと思ったらやめろ……こんなところで故障してしまっては堪ったものではないからな」
「先輩……」
「姫路・明石」
「「「はい!」」」
「お前たちは、先にやめていろ……次、メディシン(※重いボール、三キロ・五キロといろいろ種類がある)を使うから用意しててくれ」
「先輩、いいんですか?」
「何を言ってるんだ、お前たちがやめたいと言ったじゃないか……それにさっきも言っただろう? こんな所で故障したらいけない、それに明石……お前は前大会は捻挫でいい結果が残せなかっただろう? 二の舞をするな」
「……はい!」
「わかったらラストスパート行って来い!」
「「はぁーい!」」

 そういって、スピードを上げていった姫路双子と明石。
アメンボは、三人を優しい目で見送って行った。

「アメンボ……優しいんだな」
「優しいもんか……ただ、大切にしたいんだ……ただでさえ本当に少ない部員数で頑張ってるんだ、誰一人として怪我させたくない」
「「先輩……」」
「お前たちも一緒だぞ? 男子であろうと、兵南水泳部の部員だ……私にとっては宝の他、言い表しが出ない」
「「ありがとうございます!」」
「だから、今後入ってくる部員を大切にな」
「「はい!」」

 そう言って、スタート地点である部室の前へ戻ってきた四人。

「よし、あと二周だ! スピード上げて行く「きゃああぁぁ!」
「今の声は、明石!?」
「どうした! ……っ!?」
「け、ケン!」
「うぅ……」
 
 部室には芦屋が、顔などに痣をつくり口は中を切ったのか血を出していた。

「明石、一体なんだったんだ?」
「わからないです! 私たちが帰ってきたときに、青いブレザーの生徒が窓から飛び降りてって……」
「り……りゅう」
「え? ケン、もう一回」
「リュウが……」
「リュウ?」
「誰です? それ」
「阪東の生徒だ! まず、ケンを保健室に運ぶぞ! トシ、加古川、播磨! 手伝ってくれ!」
「「はい!」」

 芦屋は、西宮と一年男子の協力により保健室へ運ばれていった。

「怪我は軽いしもう大丈夫、あとは安静だね」
「そうですか、ありがとうございます……」
「悪いな、アメンボ・トシ」
「別に……大事じゃなくてよかった」
「トシ、一年生と一緒に部室の片づけを頼む」
「……わかった」