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鬼城 地球
鬼城 地球
novelistID. 15205
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アメンボ!! ~South vs. East~

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「この学校でレンガと言ったら」
「体育館しかない」

 そう言って、レンガの壁のある部分を見て回る。ちなみに現在、時間は五時五分前……冬のこの時間帯は、この国では世間一般で『夕暮れ』の時間である。

「影が映るのは西側だな」
「アメンボ『風の音』は?」
「多分、隙間風の音だろうと思う」
「そうか……! アメンボ」
「聞こえたな」

 ビュオオオォォという冬特有の風の音とは、僅かに違うヒュオオォォォという音がアンサンブルのように聞こえていた。

「……ご丁寧に印まで」
「アメンボ、外すよ?」

 その音のしたレンガには、十字架のような印があり。西宮は、そのレンガを外そうとしてみた。すると意外に簡単にレンガは外れた。

「何がある?」
「!? ……これ」
「どうやら、どこかの鍵のようだな」

レンガが空洞になっており、その中に入っていたのがどこかの鍵だった。

「アメンボ……また暗号だ」
「『とけさあてくけとな』」
「また一週間かかりそうだ……」
「ああ、でも……結構ゴールまで近づいたはずだ」
「……アメンボ、助けるの?」
「何をだ?」
「校長を」
「……私は、校長を助けるためじゃないと思うんだ……この学校、兵南を助けたいんだ」
「……依存してるね」
「そうだな、私はこの学校に依存しているのかもしれないな」
「俺もみんなも、そうだけどね」

 そう苦笑を洩らした、アメンボと西宮。

 アメンボは、まだ事件についてあまり焦っていはいない。
だが、ある数日後のある出来事が焦りを浮き上がらせて行くのだった。