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鬼城 地球
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novelistID. 15205
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アメンボ!! ~South vs. East~

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 その一週間たったのが今のだ。

「ああは言ったものの、全くわからないものだな」
「アメンボですらダメなら、俺なんかもう二日前に諦めてるぜ?」
「まず、諦めるのが早すぎだ……ケン」
「でも、焦らなきゃダメなんだろ? 俺、そういうのダメなんだよなー」
「少しは手伝え!」
「あの……尼崎さん」
「はい?」
「図書委員なんだけど、本……返してくれない?」
「あ、すまない……今日、返しに行く」
「ありがとう」

 そうある女子クラスメートが言いアメンボの元を去った。

「……また、呼び出しされるのかと思ったぜ」
「残念ながら私は同性愛好者でないぞ」
「いや、だって男よりも男前だしさー」
「それ以上言ったら殴るぞ? いや、殴ってやろう」
「ごめんなさい」

 しばしば、普通でないアメンボはそういうことがある。

 授業が終わり、図書室へ向かったアメンボ。

「悪いけど尼崎、この本もしまってくれないか?」
「わかりましたー」

気だるそうにそう答えたアメンボは、自分の借りていた本以外の本を棚に戻す作業をすることになった。
本当はひと時でもあの暗号のことを考えたいのだが……

「えーっと? 071……071のカ」

 本の背表紙の番号を口に出しつつ本に閉まっていくアメンボ。
いくつか本を入れ終わって最後の本を置こうとしたその時だった……

「080……080……え? 080!?」

 大抵、図書館の本の背表紙に書かれているものは三行に分かれて書かれている。例えば『080・ナ・6』というように……
アメンボは、頭に閃光がよぎったような感覚に陥った。暗号の意味が解けたのだった。

「先生! 080のヘ・47ってありますか!?」
「え? ……その番号は、確か今貸出休止中のはずの本だぞ? なんでだ?」
「事情はお話できませんが、お願いです! 貸してもらえませんか? 緊急事態なんです!」
「あ、ああ……ただ、他の先生に言うなよ?」

 そう言ってアメンボの見幕に押されて図書の先生が持ってきた本は、どの本よりも古ぼけており、アメンボでも自然と扱いが慎重になった。

「『兵南校長著作史』……誰も借りないから貸出休止本で処分書庫になりかけてた本だ」
「危なかった……借りていきます!」
「あ、尼崎! 貸出手続きを……って行ってしまったな……なんだったんだ?」