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鬼城 地球
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novelistID. 15205
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アメンボ!! ~South vs. East~

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一週間後……

「(……080……携帯電話、いや最近は090もある……47P…四十七ページ? ……いや、単純すぎるか)」
「アメンボー……大丈夫か?」
「……大丈夫じゃない」
「えぇ!? マジでか? 風邪か?」
「違う、先週の事だ」
「……アレか」
「『080ヘ47P137』」
「なんなんだ、これ……」
「さっぱりだ」

 アメンボがずっと見ていた紙には『080ヘ47P137』と書かれたメモがあった。そのメモは、先週…校宝が盗まれた時に残された、重大な手掛かりであった。


一週間前……アメンボ達は、校長室にいた。


「尼崎君、話は聞いているね?」
「はい、教頭……事実、なんですね?」
「残念なことに、事実なのだよ! 確かに、校長室に飾られていた『東風閃々』の掛け軸が!!」
「教頭先生、まず落ち着いてください」
「……何か、痕跡」
「これが、掛け軸のあったところに……」
「暗号か……」

 掛け軸にあったところに置いてあったのは、小さなメモでそこにはアメンボが悩んでいた暗号『080ヘ47P137』の文字が書かれていた。

「校長先生、盗まれた掛け軸って確か……」
「ええ、阪東と友好交換でこちらにあった掛け軸なんです」
「阪東と友好交換?」
「実際は互いに脅しあっているのだろう……「校宝にもし何かあったら……」というところでしょうな?」
「さすが尼崎君だ、よくわかっている」
「大変すぎるぞ……もし、これが阪東に知れ渡ったら……」
「兵南の生徒の生活が脅かされることになるだろうな」

 ここで、一つ兵南と阪東という高校の関係について語っておこう。
兵南と阪東、現在の名前として設立したのが速いのは兵南なのだが、学校としての存在が長くあるのは阪東なのだ。
アメンボ達が生まれる数十年前に兵南と阪東が難関受験高校として争っていた時代があったそうだ。
最初は、両高校はともにいいライバル校としての意識があったそうなのだが、それが年を重ねるにしていい生徒を取ったほうが勝ちという競争心へ変わり、それが高校受験だけでなく大学進学率へも競争心が加わり、それにまた生徒の愛校心が上乗せされ、いつしかよいライバル校が、敵校になってしまったのだった。

 つまり、生徒も学校に依存していってしまった結果だったのだ。

 現在、先ほどのような校宝を交換して仲の良いように見せてはいるが、アメンボが見抜いたように中身はいいものではない状態が続いている。

「これは、警察沙汰にもできないな」
「それで君達がいるんだよ」
「……できる限りの事はします、この兵協部に任せてください」