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鬼城 地球
鬼城 地球
novelistID. 15205
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アメンボ!! ~South vs. East~

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 その頃、上の倉庫では……

「くそっ! なんで俺がお前らなんかにっ!」
「作戦勝ちだ、不良」
「さすがだな、兵南文系トップ!」

 なんと、さっきの音は堺が芦屋達に飛ばされた音だったのだ。

「あ……何しやがった! 動けねぇぞ!」
「あ、それは俺のアイディア! リュウが動けなくなるようにツボ押させてもらったぜ! 将来の名整体師・ケンをなめんなよ!」
「偏差値は私よりは低いがな」
「んな細かいことはどうでもいいだろって、お前いつの間に!?」
「さっきだが」
「掛け軸あった?」
「ああ、勿論!」

 箱を見せたアメンボは、勝ったという顔を堺に向け地下室の鍵を投げ返す。

「残念だったなリュウ、掛け軸は返させてもらう」
「俺がトシなんかにやられるとはな……おい、トシ」
「何……?」
「アメンボを頼んだぞ」
「リュウ? トシ?」
「……何を今更」

 そう言って西宮は倉庫を出て行った。

「あ、トシ待ってくれ!」
「そうだ、置いてくなよ!」

 そう言って、西宮を追いかけるように芦屋は倉庫を出て行ったが、アメンボは倉庫の入り口で堺のほうを振りかえった。

「なんだよ、まだあんのか?」
「リュウ……もう、戻れないのか?」
「何にだ?」
「仲の良かった中学時代のように……」
「もう手遅れだ……俺とお前が『東の竜』と『南のアメンボ』になった時から……もう、戻れない」
「リュウ……私は待っている、お前が戻ってくることを」
「……あんまり期待すんじゃねぇぞ、勇波」
「期待するさ、竜一」

 そう言って微笑んだアメンボは倉庫から去って行った。
 これは、後日談だが西宮と堺は、従兄弟の関係にあったのだと言う、西宮が阪東を嫌っている理由はアメンボたちよりも近い距離で阪東の最前線に立つ生徒を見ていたからであった。