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狂言誘拐

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「やめられないとまらないっていうコマーシャルがあったわね。あれのこと?」
「それはエビセンでしょう」
「そうだったかなあ。それはともかく、かなり買わないと、目立つ量にならないわ」
「通称ポテトチップです。緩衝材ですがね。人の背丈くらいに大きな袋に入っているのを、梱包材量屋で売ってますよ。色が真っ白だから、あれを海にぶちまけたら、相当目立ちますよ」
「そうなのね。だったら目立つわね。でも、海洋汚染だって云われるわ」
「必要悪ということばがありましたね。それとは違うかも知れませんけど、やむを得ません。重油を流すのと較べたら可愛いもんです」
「こんなところで、梱包材量を売っているところを探すのは、難しいでしょう」
「その前にLPGのスタンドを探して、燃料を入れないといけません」
「ちゃんと準備してから出るべきだったわ。LPGと梱包材量がどこで手に入るのか、ネットで調べて来るべきだったわ」
「そうでしたね。でも、ここは福島県だと思いますけど、ちょっと大きめの街に行けば、意外に簡単に手に入る筈です」
「梱包材量って、云ったわねよね」
「そうです。よく見ていてください。店舗の上に紅いテントがあって、そこに白い字で書いてあったりします」
「青いテントに白い字だったら、あるわよ」
  
作品名:狂言誘拐 作家名:マナーモード