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狂言誘拐

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「避難所にいる兄から電話で聞きました」
「と、いうことはずっと被災地には帰ってないんだね」
「帰っても家がないんです。ところで、中野さんと栗原亜矢子さんとは、どういう関係なんですか?」
「ああ、無関係だよ。以上」
 中野はもう思い出したくない気持ちになっていた。
「でも、真夜中にふたりで二十四時間営業のスーパーへ行きましたね。無関係なわけありませんよ」
 小野寺は急に酔いが顕著になってきていた。
「そう思う?でも、今は本当に無関係だよ。今後もね」
「おかしいな。だって、明日、中野さんを連れて来いって、亜矢子さんから云われてるんですよ」
 小野寺は発音がおかしくなってきた。
「連れて来いって?どこへ」
「あの豪華絢爛な大邸宅です。昼の十二時ちょうどに連れて来てもらいたいと、云ってました」
 中野は携帯電話を津波に流されてしまったので、会社から金を借りてPHSを買った。月の払いが、普通の携帯電話の四分の一だということだった。それをポケットから出した。
「嘘だろう。そんな嘘ついて、お前は何か得することでもあるのか?」
「別にありませんけど、嘘じゃないです」
「彼女の番号を教えてくれ。確かめてみる」
 
作品名:狂言誘拐 作家名:マナーモード