~双晶麗月~ 【その5】完
「あ!そうだ![色々]教えてもらうんだった!」
雄吾が突然言い出した。
「えぇ。もうかなり[色々]教えたと思いますが?」
ミシェルは含み笑いをする。
すると雄吾は急にミシェルの肩を組む。
「違うだろ!他の[色々]のことだよ?」
そう言った雄吾はミシェルに何かボソボソ話している。
「え?」
驚いたミシェルの肩を、雄吾は再び掴みまた小声で話す。
その後も内緒話は続き、二人は時々私の方を見てくすくす笑っている。
「なに〜?キモいんだけどぉ〜」
私がわざとそう言っても、ずっと小声のまま。
すると突然雄吾は大声になった。
「アッハッハ!了解!了解!なるほどな〜。ふぅ〜ん」
「咲夜には内緒にして下さいよ!」
「わかってるって!アッハッハッハ!」
「ちょっと〜!内緒ってなんだよ!」
「いいの!いいの!お前は知らなくていいことだから。アッハッハ!」
「雄吾!笑いすぎだって!」
そう言いながらミシェルも笑ってる。
まいっか。
私もなんだか楽しくなってきた。
そしてしばらく笑った後、雄吾は『またな』と言って帰って行った。
まるでまた明日も今まで通りに皆で会えるかのように。
作品名:~双晶麗月~ 【その5】完 作家名:野琴 海生奈