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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その5】完

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 術の解かれたラシャはアースガルズへと向かった。狼一族は恐らく消滅したのだろう。
 その後、足や腕が傷ついていたミシェルは、自己治癒の術を施した後、雄吾のケガの治癒を行う。
「すみません、ここまでしか……」
「ありがとな。こんだけ治りゃ、あとは自然治癒だ」
 そう言って雄吾は立ち上がる。
「雄吾君ならすぐに完治するとは思いますけどね」
「おぅ!当ったり前だ!」
 
「あ。なんだか男の友情ってカンジになってる……」
 私は横目で二人を見た。

「なんだ〜?ヤキモチ焼いてんのォ〜?なぁなぁ!どっちに?」
「うるせ!」
 ニヤニヤしている雄吾の顔に、私はパンチした。
 隣でミシェルが微笑んでいる。

 私たちは大きな安堵に包まれていた。


「ミシェ……」
 そう言いかけた私に、ミシェルは再び優しく微笑む。
「さ、行きましょうか」
 そう言ってミシェルは私たち3人の周りに風を巻き起こし、瞬間移動をした。


 着いた場所は私の家だった。