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有明バッティングセンター【前編】

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今日は記者会見当日。朝5時には目が覚めてしまい、とうとうベッドから起き出
して、そわそわ落ち着かない。とりあえず、熱いシャワーを浴び、朝飯の食パン
にかじりついた。

(朝8時に迎えが来るって言ってたな。 しかし、どこでやるのか、何時からやる
のか全然教えてもらってないから不安だ。)

久しぶりにスーツをタンスから引っ張り出して、鏡の前で合わせて見る。営業を
やっていた頃から体を鍛えこんで、体重も10kg程絞り込んだせいで、どうも
ダブついている。

(しょうがねぇな。突然の話で新調する暇もなかった訳だし。確か、安っさん、
ユニホーム持ってくるって言ってたから、それを上に羽織れば何とかさまになるか。)

しかし、入団会見と言う訳でもないし、いきなりユニホームって、かなり強引な
感じがしてならない。時計の針は7時を回り、その辺の話題がテレビでやっては
いまいかと、リモコンのスイッチを押した。いつも見る朝の番組ではちょうど天
気予報をやっており、別のチャンネルでは、朝の占いコーナーと言うのをやって
いた。今日の運勢、俺の星座であるしし座の運勢はワースト1に選ればれており、
何事も思うように進まず、びっくりするような出来事に頭を悩ませる、となって
いた。・・・・不吉だ。

ラッキーアイテムはピンクのネクタイ。
あわてて、引き出しを探る。
こう見えてもゲンを担ぐタイプなのだ。

タンスの引き出しをごそごそやっている間に、画面はスポーツコーナーへと切り
替わった。

(おっ)

急いでテレビの前に胡坐をかいた。
画面は前に見たドラフト会議の映像から、俺の顔が数台のモニターに映し出され
る場面、「前代未聞! プロ野球界初おDH1位指名 謎の選手 有明一郎とは?」
というテロップがセンセーショナルに踊った。