有明バッティングセンター【前編】
かんちゃん? とういえば、親父もみんなから良く「かんちゃん」って呼ばれ
てたっけな。「有明鑑蔵」というとても画数が多く小学生時代には相当苦労した
であろう名前からそう呼ばれていたっけ・・・。
待てよ、「センター」ってうちのセンターの事か? 「コーチ」って、えっ?
親父が?
ねぇねぇ、君たち、「コーチ」って、「かんちゃん」の事?
「かんちゃん」って「有明鑑蔵」の事?
鳩が豆鉄砲喰らった(古い!!)様な顔・顔・顔・・・・「・・・はい」。
えっ、えーーーーーーーーーーーーー!
あの子供嫌いの親父が? あの(バッティングセンターの主のくせに)野球嫌い
の親父が?
・・・「コーチ」って・・・・めまいしてきた・・。
「おじさん、コーチの親戚か何か? 顔似てるし。」
・・・・「おじさん」・・って。
そうだけどガチで言われると・・・めまいしてきた・・。
「そうだよ。息子だけど、今度センター引き継ぐことになったからよろしくね」
一瞬の沈黙、みんな顔を見合わせる。ぱぁっと顔色が明るくなって・・・・
「やった!やったーやったー」
なんじゃそりゃ。
俺の経営者初日はこんな感じで展開して行った。
作品名:有明バッティングセンター【前編】 作家名:ohmysky