有明バッティングセンター【前編】
その内、守備技術が向上した浩二を見て、他の野手達がこぞって通うようになっ
たのだ。うーん、なかなかの商売人である。
さあて、センターの設備は大体把握できた。このセンターの収支を確認する番だ。
想像に反して、帳簿はしっかりと管理されていた。どれどれ、どれだけお金を生
み出してくれるのかなこのセンターは。
土地、建物、設備はすべて借金を返し終わっていた。電気・水道代と維持費積み
立て金、メンテナンス料・・
支出の方は思ったより掛かっていないな。さあて、気になる収入の方は・・・
な、なにー！。月５万円って、赤字じゃん！
リトルリーグの監督はタダでやっていたらしい。西大１校野球部からの設備使用
料が月３万円で、その他一般の利用料収入が２万円、とは言ってもゼロの月も
ちらほら・・・暮らしていけない。
ニュースキャスターで金持ちの姉、恭子から借りた金が尽きる前に何とかせねば
ならない。
・・・カップ麺でも食いながら考えるか。
作品名：有明バッティングセンター【前編】 作家名：ohmysky