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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十三回・弐】雨が止んだなら

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「そっか…まだ起きないんだ…まぁ…そうだ…よね」
南がわざと笑顔で言うと制多迦が頷く
「緊那羅がついてるなら大丈夫だよ」
「何が大丈夫なのかわからんけど…まぁ大丈夫なんだろな」
烏倶婆迦の言葉に中島が何となく納得したように頷いた
「…君のせいじゃないからね…変な考えもってるなら殴るよ」
矜羯羅の腰掛ける窓枠の下に腰を下ろした制多迦に矜羯羅が言った
「…君のせいだって言うなら僕のせいでもあるんだ…わかった?」
「…ん…でも」
「でもじゃない」
「…めん;」
制多迦の頭を鷲掴みにした矜羯羅がその手にぐぐっと力をこめてギリギリと制多迦の頭を掴み絞める
「タカちゃんタカちゃんそんなこと京助の前でいったら即効突っ込まれんぞ」
中島が言う
「誰かのせい、ってのあいついっちゃん嫌いだからなぁ…絶対つっこむな、うん」
南がウンウン頷くと坂田も同じくウンウンうなずいた
「のわりには結構自分…」
ハハッと笑った坂田の眉が下がりため息をつく
「何だかな…気付くと京助の話しになってんな」
「ハハハ…確かにそうですね…大きいんですね京助君の存在って」
柴田が坂田の頭を撫でながら言うとその手を坂田が払った
「まぁ確かに…そうかもしれんな」
腕を組みなおし迦楼羅が言う
「…あの雰囲気は…気分がいい…やかましいがな」
「そうですね…僕も騒がしいのは得意ではないのですけど」
「京助の名前が出ただけでこうも話題が出てくるもんなんだな」
張り詰めていた空気の一点が取れたかのように話し始めた一同の表情にほんのりと笑みが浮かぶ
「あら勝美君いらっしゃい」
茶の間の戸が開いて正月スーパーの袋を手にした母ハルミが入ってきた
「あ、どうも…買い物ですか?」
「ううん違うの。社務所の冷蔵庫に入れてあったの持ってきただけよ」
台所に向かいながら柴田に返す母ハルミにその場にいた全員が視線を向ける
「さぁ急いで晩御飯作るわね、誰か手伝ってくれないかしら」
「あ…僕が」
台所から聞こえた母ハルミの声に乾闥婆が立ち上がる
「…俺も」
そして中島も立ち上がった
「俺も手伝うかな」
「俺も手伝いますハルミさん」
中島に続いて南と坂田も立ち上がり台所に入る
「おいちゃんも」
「あ…私も」
三馬鹿に続いて慧光と鳥倶婆迦も小走りで台所に入った
「僕らも行く…?」
さっきは誰もいなかった台所の人口密度が増して逆に4人しかいなくなった茶の間で矜羯羅が3人に声をかける
制多迦がヘラリ笑ってうなずく
「…たまには…いいかもな」
迦楼羅が立ち上がり腰を伸ばす
「というかこれだけの人数がいると逆に手伝うことがあるのか…ですけどね」
笑った柴田が台所の暖簾をくぐった
「がらっちょ」
茶の間ですり鉢を押さえていた矜羯羅があまり呼ばれたくない呼ばれ方で呼ばれ怪訝そうな顔を上げる
すりこぎ棒をごりごり動かしながら呼ばれていない制多迦も一緒に顔を上げた
「何さ」
すり鉢を押さえたまま矜羯羅が返事をすると阿修羅がちょいちょいと手招きする
それを見て制多迦と矜羯羅が顔を見合わせると制多迦がヘラリ笑って頷いた