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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十三回・弐】雨が止んだなら

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「宝珠は一度選んだ持ち主だけが使えるんです…それ以外の人が宝珠を使おうとすると…ありったけの力…命を逆に使われてしまうのです」
乾闥婆が静かに言う
「だから僕の宝珠は僕にしか使えない…」
つぶやくように矜羯羅が付け足した
「…あれ? でもじゃぁ…ヒマ子さんってどうなんだ? かるらんの宝珠使って確か京助とかも触ってたよね?」
南が思い出して呟くと乾闥婆が俯く
「んんッ!!」
「…それはまた今度だね」
そんな乾闥婆を見た迦楼羅がわざとらしく咳をすると矜羯羅がフォローのごとく言った
「まぁ…宝珠のことをまとめるとー…宝珠に選ばれたヤツしかそれを使えなくて使うには命が必要で別のやつが宝珠を使うとアカンって…ことだ…よな?;」
坂田がまとめたはいいが自信がなかったのか周りにこんな感じですよね? というカンジで聞く
「…そして…ソーマという薬は…力をかりて力を回復する薬…いってみれば増幅薬ということになります…だから今の京助…には…」
「…宝珠に選ばれた竜の力がないと等しい京助には効いても効いてないと同じなんだよ…」
言葉を詰まらせた乾闥婆に続き矜羯羅が後に付け足す
「意識がないから僕らの力を自力で吸い取ることもできない…」
「なすすべ無し…ですか…」
小さく言った矜羯羅とは反対に柴田がわりとはっきり言うと坂田が柴田を睨んだ
「なすすべなくない!! 何かあるんだ!! 絶対…ッ…!!!」
「わ…か; すいません;」
柴田のネクタイを掴んで怒鳴った坂田に柴田が苦笑いで謝る
そして訪れた沈黙

ざぁざぁという雨の音だけが家の中に響いている
時たま聞こえるコンコンという音は外に放置プレイされた何かに雨が攻撃している音だろう
ふいに中島が立ち上がって戸に手をかけた
「なしたんよ」
南が声をかける
「…ハルミさんに今日泊まっていいか聞いてくる」
「あ、俺も行く!」
「俺も」
中島が言うと坂田と南も立ち上がった
「俺は…さすがに駄目でしょうねぇ;」
柴田がハハッと笑いながら言う
「駄目もとで聞いてみりゃいいじゃん柴田さん」
「うーん…じゃぁ…」
柴田が立ち上がろうとすると茶の間の戸が開いた
「おかえり」
開いた戸の方を見ずに矜羯羅が言うと戸をあけた制多迦がヘラリ笑い手をあげた
「…京助は?」
黙っていた烏倶婆迦が制多迦に聞くとその場にいる全員が制多迦に視線を向けた
「…ょうすけは…」