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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十三回・弐】雨が止んだなら

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「みーさおちゃん」
「留守です居留守ぐー」
和室の扇風機の前で足で足を掻きながら漫画を読む操がだらけた返事をする
その背中に京助がまたがった
「京助おまえそのまま座ってみろよ?」
操が京助の方を見ずに言う
「操ちゃん海いこーよ」
「俺は今居留守っつたろが。居留守だ居留守、いるけど留守なんだっつーの」
ひらひらと手を振って操が返すと京助がぷーっとむくれた
「いーじゃん暑いだろー行こうよーねーねーつまんないんだってー」
「んなこと俺が知るか; おまえはつまんないんかもしれねぇけど俺はつまってんだよ」
パラっと漫画のページをめくりながら操が面倒くさそうに言う
手を伸ばして扇風機の風力を強に切り替えると操の髪がその風に乗って京助の足をくすぐった
「操ちゃんがつまってても俺はつまんないもん」
「んなこと知るか」
「…操ちゃんのばぁかッ!!!」

ガスッ!!

「だッ!?; てめ; 京助!!!;」
京助が思い切り操の尾てい骨をかかとで踏んで逃げる
「もう夜来てもしらねぇかんなッ!!!!;」

「まったく…小学生相手に何むきになってんのよアンタは」
操の怒鳴り声は境内の方まで聞こえたらしく母ハルミに説教されたっぽい操がテーブルに頬をつき機嫌の悪そうな顔でじとっと母ハルミを見る
「構って欲しくてちょっかいだしてるんだから」
「わーってるよんなこといわれなくたって…」
操の前におかれた麦茶のコップの氷がカランと音を立てて崩れた
「昔はアンタも私にそういうことしてたんだから」
洗濯物を縁側にどっさりと置いた母ハルミがはいていたサンダルを脱いで家に上がる
「京助よりもっとタチが悪かった気もするし」
「はいはいはいはい; ワタクシが悪ぅござんした;」
どこか黒い笑顔をむける母ハルミから顔をそらして操が分が悪そうにいった
「そうだなぁ俺を勝手に敵視してたしなぁ」
「りゅッ…;」
「あら竜之助」
頭上から聞こえた声に操が上を向きそこにいつの間にかいた竜に驚く
「からかいがいがあったなぁ…」
「黙れこのクソ;」
あからさまにからかっています、というカンジで竜が言うと操はテーブルに顎をつき悪態を吐いた