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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十三回・弐】雨が止んだなら

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突如窓から差し込んできた光に阿修羅が窓を開ける
しかし雨がざぁざぁとふっているだけで何も無く
「…反対側け…気になるがでも…」
阿修羅が緊那羅と京助を見下して今度は戸口に目をやった
「今の光…微かに宝珠の声がしたの…」
苦い顔をして阿修羅が呟く
「……」
阿修羅が無言で窓を閉めると再び京助と緊那羅を見る
緊那羅の持つ竜の宝珠の光が微かに強くなった

光が消えてもまだ慧光の姿は見えない
「慧光!!」
窓枠に手をかけ飛び出そうとした矜羯羅を制多迦が引き留める
「…って…」
「何…」
矜羯羅が制多迦を睨み腕をつかんでいる手を引きはなそうとした
「…待て矜羯羅」
迦楼羅が外を見て矜羯羅の前に腕を出した
「君まで…何なんだよ…」
「慧光は無事だぞ」
迦楼羅の言葉を聞いた面々が窓に駆け寄る
目を凝らして見えたのは尻尾
「ぎりちょんセーフなんだやな」
ざぁざぁという雨の音の中から聞こえたのは独特の話し方
「ナリは大丈夫だやな?」
慧光の前に差し出された慧光より一回りくらい小さな手をつかみながら慧光が頷く
「…式…か」
白い布の人物が呟くと慧光の前に揃った4本の足
その両外側二本が揃って一歩引き下がり膝が曲がりいわゆる構えの姿勢をすると慧光の目の前で尻尾が揺れた
「「栄野の前後は我らが守る!」」
雨に濡れた赤と青の前髪とそこから天を向いた角
同じ型の構えをしたゼンゴが白い布の人物を真っ直ぐ見た