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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十三回・弐】雨が止んだなら

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「私は…何でもするって言ったっちゃよ」
緊那羅が言う
「でもなぁ緊那羅…【何でも】して竜のボンが全部喜ぶってこたぁないとおもうんきに」
「え?」
阿修羅の言葉にきょとんとした緊那羅が阿修羅を見た
「たとえば…お前のためにしたこと…お前を助けて誰かが…死んだら?」
さっきまで自分のことを話していた阿修羅
大切なものを一度なくしているからなのか阿修羅の言葉が緊那羅に突き刺さった
京助も【操】という大切なものを失っている
守られて守ってくれた大切な人がいなくなったとき守られた方はどうおもう?
操が死んだのは自分を守るためだったって聞いたときの京助の涙を緊那羅がおもい出す
「…なんでもじゃなくな…できることをすればいいんきに…いってたろ? 竜の…いや京助がの」
阿修羅が京助を見ると緊那羅も同時に京助を見る
相変わらず微動もしない京助
「…京助…私…」
「タカちゃんも言ってたろ信じろての…自分を京助を信じるんきに」
緊那羅が操のタオルを強く握る
「…うん」
緊那羅が頷いて顔を上げた
緊那羅が深呼吸して竜の宝珠の欠片を見つめた
小さいながらも金色に輝くそれは最高位の宝珠というだけあって見ているだけで吸い込まれるような押し潰されるようなそんな感覚を覚えた
不安一杯の表情で緊那羅が阿修羅を見ると阿修羅が下を指差す
緊那羅がその指差す方に視線を向ける
「京助…」