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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十三回・弐】雨が止んだなら

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まだうっすらとしか色付いていない宝珠がついた腕輪
それを見て緊那羅がため息を吐く
「…私…強くなってるのかな…全然宝珠に変化ないっちゃ…」
そしてまたため息を吐いた
「…京助…今私ができること私ちゃんとできてるっちゃ…?」
京助から返事はなく緊那羅がゆっくりうつむいた
「…信じる…信じなきゃ…」
ぶつぶつと繰り返し緊那羅が言う
「…よし…!!」

ガラッ

緊那羅がぐっと手を握り言うと部屋の戸が開いた
「…阿修羅…?」
緊那羅が少し驚いた顔をすると阿修羅がいつものあのアッケラとした笑顔ではなく少し寂しそうな悲しそうな笑顔で片手を挙げ部屋にはいってきた
「…竜のボン…京助どうやけ…」
そして緊那羅の対面に座る
「うん…息はしてるっちゃけど…」
緊那羅が京助を見てそして眉を下げた
「…緊那羅…竜のボン…助けたいけ?」
「…え…?」
「京助を助けたいかって聞いたんきに」
阿修羅の質問に緊那羅が躊躇いがちに一回頷きそのあと数回頷く
「助けたいっちゃ」
真顔で緊那羅が阿修羅を見、言う
「…そうけ…お前にはそれができるかもしれないんきに…いや…お前ともうひとりの竜のボン…悠助にしかできんことなんきに…京助を助けることは」
阿修羅が京助を見てそして緊那羅を見る
まっすぐに強い眼差しを自分に向ける緊那羅に阿修羅が口の端を上げニッと笑った
「お前の中には竜の力があるってことは…言ったよな?」
緊那羅が頷く
「同じ力は共鳴する…つまりは…だ」
「つまり…京助と同じ竜の力を持つ緊那羅か悠助に一度僕らの力をあげてそしてそれを京助にあげるってこと?」
「まぁそうですね」
柴田がにっこり笑った
「ただ上手くいくかはわかりませんけど」
その後に付け足された言葉で一同顔を見合わせ考え込む
「…でも上手くいくかもしれないんでしょう?」
母ハルミがガスコンロを止めて話にはいってきた
「何もしないより何かしたほうがいいと思わない?」
「ハルミさん…」
鍋を持ち茹で上がった海老を笊にあけながら母ハルミが言う
「できることは…やらなきゃ…ね?」
湯気の中で笑顔の母ハルミの表情とは反対に口に出た声は少し震えていた
ベコンと大きく流し台が鳴った