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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十三回・弐】雨が止んだなら

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ふと時計を見るとまだ八時と十五分とちょっと
かなり時間が経っていたように感じていた緊那羅が時計から京助へと目を移す
相変わらずに一定の呼吸をしつつも微動すらしない京助を見る緊那羅の目に涙が浮かんだ
ごしごしとその涙が流れる前に目をこすり拭うとズッと鼻を啜りまた京助を見る
「信じなきゃ…大丈夫だって私が信じなきゃ駄目なんだっちゃ」
緊那羅はそう自分に言い聞かせて息を吸いそれを深くゆっくり吐き出すと口元に笑みを作り顔をあげた
「…信じて…るっちゃ」
緊那羅が笑顔で京助に言った
外ではまだ雨がざぁざぁと降り続いている


「迦楼羅」
よばれて顔をあげた
「…めずらしいなお前がワシを呼ぶなど」
「ハハハ…そうかもしれないですね」
ガチャガチャと泡立て器を動かしながら柴田が笑う
「何だ?」
食器を持ち歩く迦楼羅の後をガチャガチャやかましく卵黄を泡立てながらの柴田がついて歩く
「もしかしたら京助君…に竜の力を戻すことできるかもしれないかなーと」
柴田の発言にその場にいる全員が一斉に動きを止めた
一瞬の沈黙
そして
「…マジで?」
南がその沈黙をやぶって一言
「マジでーーー!!?」
それに続いて中島と坂田が声をハモらせて叫ぶ
「本当ナリか!!」
「そんな事が…できるんですか?」
慧光が喜び言ったのに対し疑うように言う乾闥婆
「これは推測だけどね…試してみる価値はあるかなと…前に阿修羅が話したこと覚えてないかい?」
柴田が三馬鹿に笑顔で聞くと三馬鹿が顔を見合わせた
「阿修羅…大人の話か?」
「いやあれは大人になった、うん」
坂田がうんうんうなずきながらしみじみ言う
「違う違う;」
柴田が顔の前で手を振って違うと言った
「竜の力…もっているのは京助君だけじゃなかったんじゃないかな? ね?若」
「ね? 若って…ね……ね? …ね……ねーーー!!」
何かを思い出したのか坂田が声を上げる
「そっか悠助」
ぽんっと手を叩いて烏倶婆迦が言った
「そして…もう一人」
柴田が人差し指を立てた