なにサマ?オレ様☆ 司佐さまッ!
「メイドを呼んでください。すぐに出て行きます」
「わかった……ありがとう。ごめんな」
そう言って、司佐はドアに手をかける。
「司佐様!」
その時、後ろから桃子の声が聞こえ、司佐は振り向いた。
そこには、涙を流した桃子がいる。
「司佐様にとって私は……邪魔な存在なだけだった?」
桃子の言葉に、司佐は静かに微笑む。
「桃子を邪魔だと思ったことなんかない。結婚の対象にはならなかったけど、いつも追いかけてくる可愛い女の子だと思ってたし、これからも同じ従兄弟同士、仲良くやっていこうな?」
司佐はそう言い残して、部屋を出ていった。
きっと今頃、桃子は号泣しているだろうが、それを慰める役は司佐ではない。
「コトハ……」
司佐は足早に、コトハの待つ自分の部屋へと向かっていった。
作品名:なにサマ?オレ様☆ 司佐さまッ! 作家名:あいる.華音