なにサマ?オレ様☆ 司佐さまッ!
「わあ、本当ですね! 都会で星は見えないんだと残念に思っていましたが、月だけは変わらず綺麗です」
僅かな照明に照らされたコトハに、司佐は静かに口を開く。
「……おまえが好きだ」
やっと言った司佐。でも、コトハは変わらぬ笑顔を向けている。
「私も好きですよ?」
「……いや、おまえが言っているのは、たぶん違う意味だ」
コトハの様子からそう悟り、焦った様子で司佐が言った。
だが、コトハは首を傾げている。
「違う、意味ですか……?」
「そう。つまり……俺は男として、おまえを見てるっていうか……」
「はあ……」
「つ、つまりだ。俺はおまえと結婚してやってもいいってことだ!」
昭人はついにそう言った司佐を見つめ、その行く末を見守った。
この瞬間を、何度シュミレーションしただろう。この後、二人は抱き合い、キスをする。波乱のカップル誕生である。
「イヤです」
だがその時、コトハはそう言い放った。
作品名:なにサマ?オレ様☆ 司佐さまッ! 作家名:あいる.華音