なにサマ?オレ様☆ 司佐さまッ!
「そう。うちはあんまり外部から来ないから……ましてや良家の人間でもなくメイド。しかも山田家のね。山田家をよく思っていない人間も少なからずいるから、油断するなよ」
「わかりました」
コトハの部屋に差し掛かった時、奥の部屋から司佐が出てきた。
「司佐様。お出かけですか?」
コトハに言われ、司佐は拍子抜けした。本当は、コトハを訪ねたかったのである。
「ああ、いや……ちょっとな。おまえたちは、また勉強か。それとも業務か?」
「勉強です。昭人に、もう学校の勉強だけでついていけると言ってもらえたので、明日からはメイド業に専念出来そうです」
「そうか。優秀じゃないか」
「頑張ります」
コトハの笑顔につられるように、司佐もへらっと微笑んだ。
「あ……おまえの部屋に入ってもいいか。少し話がしたいんだ」
その時、司佐がそう言った。
「はい。どうぞ」
なんの警戒心もなく、コトハは自分の部屋のドアを開ける。
「あ、じゃあ、僕はこれで……」
気を利かせて昭人が言ったその時、司佐が昭人の腕を掴んだ。
「一緒に来い」
「え……」
「いいから来い。二人きりじゃ、何話していいのかわかんねえだろ」
必死なまでの司佐に苦笑し、昭人もコトハの部屋へと入っていった。
作品名:なにサマ?オレ様☆ 司佐さまッ! 作家名:あいる.華音