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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その4】

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 私は叫んだ。
《ミシェ!ミシェ!私はここだよ!この中にいるんだよ!私はずっと海の中で……》
 私はそう言いかけ、途中でやめた。
 
 そうだ…ミシェルは『まだ早い』と言っていたのに、私はあそこへ行ってしまったんだ……。どうしよう……もし私がここにいるということにミシェルが気付いたとしても、ミシェルになんて言えば……

 私の中に不安がよぎる。

《あっ……》
 でも、ミシェルに『百年近くも待っていた』と言わなかったか?
 まさか!……ミシェルがラシャの婚約者……?

 
 ミシェルは続けて話す。
 「あなたは[時期]も来ていないのに、咲夜からフィルグスの封印を奪ってしまった。それがどういうことかわかりますか?」


 すると[ワタシ]の目線は右肩に移る。そこにはいつもの痣。
《あ!よかった!消えたと思ってたのに》
 私はホッとしていた。
 ところがそのすぐ後に、反対の左肩に目線が移った。そこにもまた同じ痣が……

《なんで!なんで両肩に痣があるんだ!》
 私の脳裏に浮かんだのは、あの[白い悪魔]の両腕、白い羽根の翼だった。


 白い悪魔となったラシャが待っていた婚約者はミシェル……
 『婚約者はワタシの分身体を探している』とラシャは言っていた。

 分身体ってまさか……!