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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その4】

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「わ……わかりましたよ」
 ミシェルの姿を見て尋常じゃないと察した雄吾は早々に部屋を出る。名残惜しそうに私の方を見る雄吾。
「咲夜!久しぶりに来たのに、悪ィな。また来るからよォ」
 そう言って雄吾はリビングのドアへ向かう。私の目線はずっと雄吾を追っている。
「元気出せよ」
 そう言って小さく手を振った雄吾を見て、ミシェルは睨みを利かす。
 雄吾は頭をポリポリと掻きながら部屋を出て行った。


「はぁ〜っ!疲れたっ!」
 私の体はソファーにもたれ、両腕を上に伸ばす。
 雄吾がいたさっきまでの態度とは違う?

 リビングのドアを閉めたミシェルは、窓の方へ歩いていく。
「何やってるんですかあなたは」
 冷たい目でこちらを見るミシェル。まるで蛇に睨まれた蛙だ。

「[一週間もどこ行ってンだ。遅いじゃねぇか]」
 私の口は、慣れないそぶりでわざとオトコっぽく言う。

「こちらの時間では一週間ですが、向こうでは一ヶ月以上もかかりました。それより……それ、誰のマネですか?似てませんよ」
「わかっちゃった?」
 私の体は肩を竦(すく)める。
「ちょっとね、[あの子]使えるんじゃないかと思って」

『あの子使えるんじゃないか』って……どういうこと…?