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野琴 海生奈
野琴 海生奈
novelistID. 233
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~双晶麗月~ 【その4】

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「そんなになるほど辛かったのか?兄貴と……全然うまくいかないのか?」
 雄吾は真面目な顔で言う。

「大丈夫よ……気にしないで」
「いつもそんな話し方したことないじゃねぇか。あ!ま〜さか!オレが女らしくしろとか言ってるから、そうしよっかなーとか思い始めちゃったとか?アッハッハ!」

《げっ!絶対ねぇ!絶対ありえねぇからっ!》

 私のそんなツッコミをよそに、私のクチはとんでもないことを口走っていた。
「えぇ……そうよ……」

《って、ぇえぇぇえぇぇぇ〜〜〜っ!言っちゃったよ!うっそだろ〜〜っ?》

 私は自分の意思では全く動いてくれない体の中で、ジタバタしていた。
 ところが雄吾の方を見ると、雄吾もまたショックを受けたような顔をしていた。

「おい……それって……オレのために自分の行い改めたってことか?」
「そうよ私、雄吾がいるからこうして幸せな気持ちでいられるってこと気付いたの。だから雄吾のために……」

《おいおいおい……ヤバイって!!このシチュエーションもだけどさ……私がこんなこと雄吾に絶対言うわけない……誰がしゃべってる?誰が私に成り代わってるんだ……!》

 私の嫌な予感は、胸騒ぎへと変わっていった。

「なんかオマエ……別の人になっちゃったみたいだと思ったけど……」
「うん……」
 雄吾のカンは結構当たる。

 どうか、私じゃないと気付いてくれーーーーーーーッ!




「でもそんなオマエ……すっげぇ好きだ………」
 雄吾はさらに力強く私の体を抱きしめた。

 ガーーーーーーンッ!!!