小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

御影山編

INDEX|21ページ/44ページ|

次のページ前のページ
 


***

 会社からの帰り道、私は無意識のうちに本屋さんに来ていた。別に買いたい本などないのに―――

「こんばんは、葉月さん」

 突然声をかけられ、私は顔を上げた。

「白波瀬さん―――」

 驚いた。でも、何だか白波瀬さんの顔を見るとほっとしてる自分がいる。

「どうしたんですか? 何だか元気がないみたいですけど」
「え? いえ、何でもないです。白波瀬さんはまたお仕事用に雑誌を買いに来られたんですか?」
「違います。さっきお店の前で葉月さんを見かけたんで、後を付けて来たんです。ちょっとストーカーっぽかったですね」

 そう言って笑う白波瀬さん。ああ、この人のこの笑顔、癒されるなあ。

「もし良かったら、これから一緒に食事でも行きませんか?」
「いいんですか?」
「もちろん。僕が葉月さんと一緒にご飯を食べたいんです」

 さ、行きましょう。と言って、白波瀬さんは私の手を引いて歩き出した。


作品名:御影山編 作家名:有馬音文