春日編
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「何だかスパイみたいでしたね!」
「実際スパイでしょ? でもよく急にあんな言葉が出て来たね。ちょっと感心した。カップルっぽい会話になってたし、店員をうまく誘導出来てた。あんたにしては上出来じゃないの?」
「あっ、ありがとうございます」
ちょっと皮肉っぽいけど嬉しい、また褒められた。
「秀麗がどこまでうちの情報を握ってるかは分からないけど、売り物は他社との情報戦だからね。こっちだって秀麗がグロスを新作で出すって情報は握ってたし」
「そうか、会議の時に言ってましたよね」
「後は会社に戻ってマーケティング部とさっき僕達が得た情報をまとめる。時間がないから急ぐよ」
「はいっ!」
何だか私も燃えて来た!