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まほうのかがみ

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王様は魔法のかがみを大層重宝していました。

だからか、魔法のかがみを作った魔法使いを王様は信頼していました。

魔法使いも、魔法のかがみをお城に持ってきた日に魔法のかがみの前に立ちました。

彼の”こころ”の姿はいまの彼よりも少し大人びていて、その夜と同じ瞳からは彼の広い”こころ”が見て取れるのです。

王様はその姿を見たときから、彼を心から尊敬していました。

王様はよく魔法使いに言います。


「おまえの”こころ”のなんと広く寛容なこと…わたしはおまえの”こころ”を心から尊敬している」



魔法使いも王様の良き相談相手として、また彼の友人として、王様に接していました。

王様はお寂しい方です。

今まで心から信頼できる方が側におられず心を閉ざしてしまわれた。

そんな王様に友人と…信頼できる友だと言ってもらえるのなら、それはなんと光栄かと。

しかし、そんな魔法使いは心中である考えを持つのでした。

いいえ、それはきっと彼が王様の友人だからこそ持った考えだったのでしょう。

その考えを誰に明かすわけでもなく、魔法使いはもうすぐ行われる王様の誕生祭に贈る贈り物を作りました。

そして、日かが過ぎ、王様の誕生祭の日となりました。

王様の誕生日には他国から色々な贈り物が届けられました。

宝石、芸術品、豪華な装飾のついた衣服…それはとても素晴らしい品々でした。


宴も盛り上がってきた時。


遅れていた魔法使いが城へとやってきました。

その手には王様への贈り物だという布で包まれた物を持って。

魔法使いは玉座に座る王様に告げました。


「おうさま、誕生日おめでとうございます」


そういって一例し、手にある包みを立てた。


「これは、わたしから王さまへの贈りものでございます」

「それは何なのだ?」


魔法使いは答えます。


「王さま」





いま 他のなによりも あなたに必要なものです





そう告げると魔法使いは贈り物を包んでいた布を取ります。

そこには、あの魔法のかがみとそっくり同じものがありました。




作品名:まほうのかがみ 作家名:727