いろいろな気持ち~生まれてきてくれて、ありがとう~
私は後部座席の車窓から、毎回、みるとはなしにその光景を眺めていたはずなのですが、
その瞬間、何故か、美しく染め上がった花たちが目を射るように飛び込んできました。
ちょうど一晩中、ふり続いた雨が上がった翌朝のことで、緑のみずみずしい葉のうえに
ダイヤモンドのような雨露が載って、それが朝日にきらきらと眩しく輝いていました。
そのなにげない朝の光景を意識したとたん、
私はそれまでに感じたことのない感動を憶えたのです。
語彙不足で恥ずかしいですけれど、心が打ち震えるような。。。
こんな美しい光景を見たのは、それまでの生涯で初めてでした。
きっと同じような光景には何度も遭遇していたのでしょうけれど、
はっきりと、その美しさを認識できたのが初めてたったのではないかと思います。
その瞬間、私は
生きていて良かった
と強く強く思いました。
たとえ顔半分が醜くかたまっていても、私は生きているんだ、
こうして生きているから、こんなにも美しい光景を目に出来るんだと
思うと、目から涙が溢れました。
そのときから、私は自分を襲った残酷な運命をただ悲しむばかりなのは止めたように思います。
私が沈んでいたら、家族にまで余計な心配をかけてしまうから、
できるだけ明るくふるまおうと決め、少しでも良くなるために
今の自分に出来る限りの努力をしようと決意しました。
やがて、九ヶ月の終わりの日に大出血して、緊急入院。
予定よりひと月早い早産で、S子が帝王切開で誕生し、
その三ヶ月後に、医師から
完治です、本当に、これは奇跡ですよとの言葉を頂きました。
私があの時期を乗り越えられたのは、周囲の人の温かさと
お腹の赤ちゃん-S子の存在だったと思います。
日々、胎内で健やかに大きくなってゆく子どもに逢うためには、何としてでも
今を乗り越えねばならないとの心意気が、私を強くしてくれたと思います。
だから、もしかしたら大出血して子宮摘出もあり得るかもしれない。。。
と告知されているような手術でも、赤ちゃんに会うためにと
乗り切ることができました。私はもの凄い臆病者なのです。
でも、それだけではなかった、あの朝に見た紫陽花の一瞬の生命の輝きが
見えないところでいつも私を支えてくれていたのではないでしょうか。
あれから何度も同じ場所を通りますが、やはり、あのときほど
あの光景をきれいだと思ったことはありません。
今年もまた紫陽花の咲く季節がやてきました。
あの川沿いの紫陽花は今、美しい色に染め上がろうとしています。
☆ 美容には良いかもしれないけど! 2012年6月14日 ☆
こんにちは。
昨夜のことです。
そろそろパソコンの電源を落として寝ようかと思いました。
まず歯磨きをしようと洗面所に続く廊下へと出たときのこと。
う、うぎゃー
という馬鹿でかい私の声が真夜中の静けさを破ります。
恐らく、どんなお化けよりも、こちらの声の方が世にもおそろしげであったことでしょう。
今、何かフニャっとしたものを踏んづけたけど?
あ、あれは何?
おそるおそる足下を見ると。。。。
更にう、うわぁーと大音声が響き渡ったのです。
な、何と私が踏んだのはナメクジでした。
私と夫はそのとき、ウチの娘のことで喧嘩していたのですが、
この緊急事態発生のときにつまらない意地も何もあったものじゃございません。
私はお、お父さん、お父さんと連呼。
ナメクジよぅ。早く捨ててきて~
と頼みましたが、根に持つタイプの夫。
夕方の喧嘩をまだ根に持っていたようで、しぶしぶと
それくらいのことで騒ぎ立てるなんて
と、かなり勿体ぶって始末してくれました。
それにしても、最近はカタツムリの粘液を主成分にした
コスメが大流行しています
私の好きな韓国コスメもカタツムリ粘液の効果をうたったアイテムがずらり。
しかし、私、いまだにそれだけは使ったことがないのです。
だって、ナメクジとカタツムリは親戚だって言いません?
ナメクジはただ丸い渦巻きのオウチをせおっていないだけとか何と。}
なのに、どういうわけか、昔からカタツムリは梅雨の代名詞、愛らしい生き物として
人々に受け入れられてきました。
それが、何故、親戚のナメクジは人から嫌われるのか?
ただ殻をせおっているかどうかだけの違いなのですが。。。
私はずっと疑問に思っていました。
カタツムリ化粧品というと、私はどうしてもナメクジを連想してしまうんです。
なので、あのナメクジが這い回った後のねっとりとした液が
入っていると考えたただけで、拒否反応が起きます。
私が夫にそんなことを言うと、
そんなに美容に良いのなら、さぞかし足の裏がきれいになっただろうですって。
ひ、酷いと思いませんか? {怒り}
今度、あんたの服の中にナメクジをひそかに入れてやるんだから
それにしても、何でナメクジが廊下にいたのかしら??
それだけが疑問です。。。
☆息子よ、よく頑張った! 2012/07/23
こんばんは。
今日は小学校の水泳補習授業でした。
先週の金曜日が第一回目のはずでしたが、雷雨で中止。
今日が初日です。
補習と名がつくように、その学年で望ましとされるだけ泳げない子が行きます。
ウチは長男と次女がひっかかりました。
いやだなーと言いながら、息子は時間どおりに出かけていきました。
それから一時間後。
息子が勢いよく帰ってきました。
何だか、いつもと違って、とても嬉しそう。
ママ、ボク、とうとう25メートルいったよ
六年男子で25メートルはけしてよく泳げるというほどではないけれど、
これまではほんの少ししかいかなかった息子にしては初の快挙です。
なるほど、それで嬉しそうなのね、と母はなっとく。
親バカを承知で言いますが、息子よ、よくぞがんばった
私が賞めてやりたいのは、数字のことではなく、自分の苦手なことを頑張って
克服できたということ。
特に男の子にとっては大切なことです。
これから大きくなって社会に出て、色んなことがあると思う。
男子女子、それは変わらないけど、やはり、家庭を持って責任を背負うべき立場
なのは男の子。
だからこそ、ふだんは少し頼りない息子が目的意識をもって、
苦手を克服してくれたのは母として嬉しかった!
ウチの息子がまだ一年生だったとき、
彼は学校から一目さんに走って帰っていました。
これは、どこのお子さんもそうですね。
学校から帰宅途中の小学生を見ると、どの子もランドセルをかたかた鳴らしながら
我が家めざして、まっしぐら。
とても可愛いほほえましい光景です。
子どもにとって、家族の待つ我が家というのは、それほどまでに良いものかと
作品名:いろいろな気持ち~生まれてきてくれて、ありがとう~ 作家名:東 めぐみ