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てっしゅう
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「仮面の町」 第二十話(最終回)

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事件は解決をした。被害者の岡田家と竹田家には久能自身が出向いて謝罪し生きていたら得られたであろう収入の金額を賠償金として支払う事で事故の和解をした。境川署の署長は進退伺いを本書に出して関東への転勤を受理された。欠員を補充する形で山崎警部が配属された。
しばらくは本署管轄となり新任の署長が来るまで山崎がその任を果たしていた。

優子はこの年の秋に長男を出産した。康夫も里枝も初めての孫にジジ、ババと呼ばせて目を細めていた。「やあちゃん」と呼ばせる話など忘れてしまったかのように、ジジ!ジジと叫んでいた。
弘一は久能不動産の社長室室長に任命され名実ともに教育係としてその若さと頭脳を発揮した。
昭和が無くなって平成が来たときに義一郎は静かに息を引き取り、その任を孫の雄一に引き継いだ。形の上では室長だが実質副社長の立場に弘一はなっていた。
肇は経営こそ口を出していたが形式上は雄一を社長にして弘一とともに相談をして会社の重要事項は決定するように申し伝えていた。
少しずつではあるが町の様子も変わり始めた。平成バブルが訪れて世の中の価値が一変しても、変わることの無い堅実な経営を弘一はアドバイスしていた。

境川駅の前にある屋台で弘一は一人の男性を待っていた。
今月いっぱいでなくなると主人から聞かされて最後に酒を酌み交わそうと約束していた。