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てっしゅう
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「哀の川」 第三十七話(最終回)

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正月休みが過ぎて、純一が神戸に戻る日が近づいてきた。前の日、由佳と純一は母親の車を借りて、ドライブへ出かけた。湘南の人気のない海岸線を走り、車を停めた。綺麗に化粧をしている由佳の顔はもう完全に大人の女の顔に見えた。

「由佳・・・綺麗になったなあ・・・なんか、別人みたいだよ」
「ほんと?純一さんこそ、大人っぽいわよ、おば様によく似てきたし、フフフ・・・」
「そうかい?よく言われるんだよね・・・」
「ねえ、聞いていい?怒らないから教えて」
「なんだい?」
「杏子おば様と・・・何かあったの?前に聞いたことで気になっていることがあったから」
「・・・ずっと一緒に暮らしてきたからね。伯母といっても血のつながりはないから、いろんなことを人は言うよね。気にすることなんか何もないよ。仲が良かっただけ」

純一にはそう言うしかなかった。由佳に聞かせられる話ではないからだ。

「そう、そうだったのね。安心した。ごめんなさいね、変なこと聞いて」
「ううん、いいよ。それより、二人きりになりたいね?」
「うん・・・」

車はインターチェンジの傍にあるホテルへと入っていった。