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ひと☆こと~ラヴストーリィ

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彼女と買い物に出かけた。
「今日は何食べたい?」
彼女は、ショッピングカートを押しながら歩く僕の傍らで聞いた。
「久し振りにカレーかな」
「もしやカレーとはカレーライスなるものか?」
おどけて聞く彼女は、実は……。

「他にカレーといって何が出てくる?」
「寄り目の……!」
彼女は僕を覗きこむように両目を寄せて見せた。
「それは、魚でしょ。カレイ。イが大事なんだよ、イが!」
「いつもカレーじゃ彼の『胃』が心配だもん」
「わかった……じゃあ今日は僕がカレーを作る。材料を買うぞ!」
「あ、待ってぇー」
早足にした僕を追うように彼女はついて来ながら食材をカゴに入れてゆく。

いつもの材料が整った。
レジで会計を済ませ、駐車場に戻る。
「あ、買い忘れた!すぐ買ってくるから、車で待っていていいよ」
僕は、店内に戻り、あるモノを買って戻って来た。
僕の部屋で彼女をキッチンから締め出し、僕はカレーを作り始めた。
「手伝うよー」と何度も彼女は言ってくれたけど…。

「さて、できたよ。どうぞ」
「うん。ありがとう。ちょっと多いかな」
けっして量は多くはない。彼女は、少し緊張してスプーンを口に運んだ。
「…あれ?……いつもといっしょ?」
彼女のスプーンが、また僕の作ったカレーを口に運んだ。
「……ありがとう。知ってたの?」
「いつもありがとう。無理させていたね」
彼女は、少し涙を浮かべ、美味しそうに食べてくれた。

辛口好きの僕の作ったカレーは、お子様向けのような甘いカレーライス。