ひと☆こと~ラヴストーリィ
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お酒に弱い君の為に僕は、ノンアルコールのビールを買って帰る。
「ごめんね。飲めなくて」
君はいつだってそう言いながら、僕の横で一緒に付き合ってくれる。
君の作ってくれる酒の肴は、実に旨く、お酒も美味しい。
それにいつもある笑顔がたまらなく美味しい…というのも照れくさい。
でもあの日、僕の悪戯がこんなことになろうとは……。
君が席を立ったときに 本物のビールにすり替えた。
君の酔った顔が見たかっただけだったのに、君は酔うどころか止まらない。
頂き物のワインも空けてしまった。
でも確かに酔っているようだ。
僕に絡んだり、おしゃべりしたり。笑い上戸に。泣き上戸も?
ま、待て!と逃げ出すくらいに君に近づかれたときには…参ったな。
そんな君が、僕の横でノンアルコールのカクテルを飲んでいる。
作品名:ひと☆こと~ラヴストーリィ 作家名:甜茶