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ひと☆こと~ラヴストーリィ

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貴方の視線はいつだって上にあって、街を一緒に歩いていたって「お!おもしれー」ってつま先がそっちへ向いてしまう。
私が「え?なに?」なんて見ようとする間もないくらい。
私だって つま先に力を込めて踵を上げて、頚だって これでもかと伸ばしてるのよ。

小さい時、母が大切に持っていた本の『チッチとサリー』のように あんなに背の高さが違えば、貴方も気付いてくれるのでしょうね。
抱っこだって肩ぐるまだってして貰えるのかな…それも恥ずかしいけど。
いくら手を繋いでくれたって横を向いても貴方の薄い胸板しか見えない。
見上げたときも太陽が眩しかったり、雨の日に私が傘を差せば横断歩道を渡るように
手を上げていたり。

「ねえ…ねえってば…」

貴方が余るほどに体をかがめ、私の唇に触れるときに久々のご対面。
いつだって不思議そうに私を見る視線。

「どうしたの?」

だって、そんな間近な貴方を見るとまだどきどきしてしまうんだもん。
この頃私、ちょっぴりそれもいいなーって思い始めてる。