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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十三回】ふわふわり

INDEX|26ページ/27ページ|

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「きょう…すけ?」
柱に手をついた緊那羅が名前を呼ぶ
返事はない
矜羯羅と阿修羅が部屋に入ると苦い顔をした
「結界…だね」
ぐるり部屋を見渡した矜羯羅が言う
「京助ー!! 悠ー!! どこだー!!;」
「でてこーい!! 飯だぞー!!」
南と坂田が部屋の中と外にむかって叫ぶ
「京助ー!!」
緊那羅も叫ぶ
「無駄やんきに…竜のボンらは…結界の中やんきをの…破らないかぎり…」
阿修羅が悔しそうに言うのを見た緊那羅の膝がかくんとおれて座り込んだ
「…んなら…」
小走りで緊那羅に駆け寄った制多迦が肩に手を置く
「矜羯羅様…」
烏倶婆迦が見上げた矜羯羅は唇を噛んだまま眉間にしわを寄せていた
「上…」
ぎりっとこぶしを握り締めて矜羯羅が呟く
「なら破ればいいじゃん!! できるんだろ!?」
中島が言うと阿修羅が首を横に振った
「…上が張った結界は…」
「じゃ…じゃあ…京助と悠…は?」
南が躊躇いながら聞いても誰からも返事はなく

チリーン…

浜風がならした風鈴の音がやけに大きく聞こえた


くすくすという笑い声に一斉に振り返る
「慧喜…いや…」
「指徳…」
腕を組んだ慧喜…指徳がゆっくりと部屋に入ってきた
「京助と悠をどこやったんだよっ!!」
南が怒鳴る
「二人は結界の中だよ…」
そう言った矜羯羅をはじめいつのまにか摩化不思議服になった面々が三馬鹿をかばうように慧喜に向かい合う
そんな中一人だけ摩呵不思議服になっていない緊那羅
「…んなら…」
制多迦が座り込んだままの緊那羅の背中をさする
「…いじょうぶ…京助と悠助は大丈夫、君はそう信じないといけないよ」
そういうと制多迦が立ち上がり皆と同じように慧喜の姿の指徳と向き合った
「…んじて緊那羅」
緊那羅の右腕の腕輪のほんのり緑色の宝珠が光る
「…きょうすけ…私が…」
緊那羅が両手の握りこぶしをぎゅっと握った