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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十三回】ふわふわり

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「…途中で止めんで…一思いにすりゃよかったんにの…」
「…お前な…だから俺の話を聞け」
阿修羅を仰向けに寝かせると竜がため息交じりで言う
「阿修羅…【修羅】とつく名を持ちつつも誰より人を想う…それゆえ【修羅】となる青年…だとさ」
「…は?; 何なんきに…それ…」
「記念すべき一回目のこの技で俺にやられたとき…吉祥が俺にこういってお前を紹介したんだ…想いで修羅になる…まさにだなと」
竜が眉を下げた笑顔で阿修羅を見た
阿修羅はというとただ黙って目を閉じている
「…吉祥の初恋の相手がお前だ」
その言葉に阿修羅ががばっと起き上がった
「…は…はつこ…い?; あいつはつこ…はぁあ!?;」
「あんまり大口開けるな; あーあ…せっかく止まった血がまた…; …いや俺がつけたんだけどな;」
驚き大声を出したことによって頬についた傷が再び開き血が流れる
そして竜がそれを自分の服の裾で押さえた
「吉祥はな…ずっと宮に閉じ込められててたまに抜け出しては…【向こう】に行っていたんだ…決して誰にも会わないよう自分に術をかけて見えないようにしてな…でもお前に見つかった…術をかけていたのにどうして見えたのか吉祥は帰ってきてからずっと考えていたさ」
ゴシ…っと少し強めに阿修羅の頬を袖口でぬぐいながら竜が話す
「……」
阿修羅はただ黙ってその話を聞いている
「お前をコテンパンにやったとき吉祥はな…; いや…やっぱコレはおいておいて…; …お前にあってから吉祥は俺にお前の話ばかりしてきたんだぞ」
阿修羅の頬から竜が袖口を離した
すれた血の跡がまだ残る頬を阿修羅が触る
「あ~…; こりゃ痕のこ…るな; スマン; 俺もかっとなって…」
「や…いいんきに…はは…そうけぇ…初恋なんか…」
阿修羅が指についた血をペロっと舐めた